みんな大切な人です。
2008年04月24日 (木) | Edit |

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以前にも書いたが 経済のグローバル化は 国境を越えて企業に高利益を
もたらすが その裏で、毎年およそ80万人が人身売買され、1230万人が
奴隷化され強制労働させられている、と推測される。
現在も続く奴隷制度

奴隷制度というと 19世紀の過去の遺物のように思う人がほとんどだろう。
しかし みんな、認めようとしないけれど 現実には債務に縛られた新しい形の
現代奴隷制度が急激に広がっているのだ。
その悪化する無秩序な現代奴隷制度とは 西欧経済を支配している価値観を
発展途上国に注入し 「儲けは正義、成功は尊厳」の発想から 人間性を黙殺し
利益追求のみに走った結果生まれた、人間の使い捨てである。

彼らのほとんどは 貧しさから学校にも行けず クイブチ減らしもあって
言葉巧みな人身売買業者に偽の契約書で騙され 働いても働いても
巧みに借金が増え続ける仕組みに組み込まれてしまう。
そして本来なら受け取れるべき報酬は 天井知らずに増え続けるその借金返済のため
使い物にならなくなるまで働かされ、支払い続けることになるのだ。

・タイの性奴隷
・モーリタニアの水汲み奴隷
・パキスタンのレンガ焼き奴隷
・ブラジルの炭焼き奴隷
・インドの奴隷農夫

        

このような 今そこにある現実が あまり報道されず 告発もされず
曖昧に誤魔化されながら 社会の裏側で拡大の一途を続けている。
あのチベット騒乱に伴う チベット民族の人権には声を大にして叫ぶのに
今 目の前で静かに進行している奴隷制度には 誰も声を上げない。
実におかしな話だ。

国際反奴隷制協会(ASI)
現在、世界でもっとも古く長い歴史を誇る人権団体。
1839年に英国及び海外反奴隷制度協会として創設され、
現在も世界中の奴隷制度廃止のために、政治的活動のみならず
人権に関わる中小団体の補助を含めて、活発な活動を展開。

現在の奴隷制度には モーリタニアのような旧式奴隷制度はほとんどない。
現代の奴隷は 世界的人口の爆発、それによる貧困、無教育から生まれる
債務奴隷がほとんどである。

そして その中には親の債務返済を強要された児童奴隷も多くいる。
そんな児童奴隷を救うために 効果をあげている世界的な取り組みのひとつに 
「ラグマーク」キャンペーンがある。


◆「ラグマーク」キャンペーンとは  ラグマーク財団
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 1994年にSACCS(南アジア子ども奴隷
 解放連盟)の代表をしていたカイラシュ・
 サティアルティさんがカーペーット産業の
 児童労働問題の解決方法のひとつとして
 考案した市場原理を使ったアプローチ。

 サティアルティさんは、児童労働問題に
 おいて世界的に有名なインド人男性で 
 1980年代から債務奴隷としてカーペット
 織りを強いられていた子どもたちの救出
 を行なっていた。
 そこでカーペット産業自体の構造変化の
 必要性を感じ、消費者側からこの構造に
 変化をもたらす方法を考えた。


 それが 児童労働が使われていないカーペットにそれを証明するラベルを
 つけることで、児童労働が使われているかもしれないカーペットとの差別化
 をはかる「ラグマーク」キャンペーンだった。

 【ラグマーク認定の条件】
 ①子どもを搾取しないこと。
 ②民間機関の査察に協力すること。
 ③絨毯の卸値の1%を児童労働者の福利厚生基金に寄付すること。


 このラグマークの取り組みがそれまでの児童労働への取り組みと一線を
 画すのは、市場の原理を使っているところにある。
 児童労働を法律などで制限するだけでは児童労働を防ぐことが難しいため、
 児童労働を使わないことによって得られるメリットを創造しているのが この
 ラグマークの仕組みだ。

 この効果もあり、1994年には100万人と言われていたこの産業での
 児童労働者数が2004年には30万人にまで減少したという。

 ラグマークにとって、世論が喚起されたという証明は、市場シェアで示される。
 2005年時点で1.5%だった市場シェアを、2008年には7%に、2012年には15%に
 拡大することが目標である。そして最終的なミッションは、児童労働の撤廃である。

        

現代奴隷制は 政治の腐敗と利益至上主義のグローバル経済から発生している。
発展途上国には 利益の恩恵を受けるために奴隷制に加担する政府役人や警察が
絶えずいる。タイやパキスタン・ブラジルの警察は 逃亡奴隷を奴隷主のために狩り出す
強制執行人にもなり 政府の腐敗は、国を奴隷狩りの主役とする。

国連は イラクに対して経済制裁を行ったが 奴隷制に対しては制裁処置を
発動したことはない。
例えば、ディズニーなどの著作権に対しては 国際的処罰が与えられるが
奴隷労働について 調査団が派遣されたこともないし、WTOが奴隷製品の
輸出に対し罰金を課したこともない。もしかしたら 子どもたちが使う
サッカーボールが 奴隷たちによって作られたものかも知れないのに。

悲しいことに 一番声が大きいのは大企業であって人権団体ではないのだ。
ソフトウェアの偽造や著作権に関する国際法は 経済保護のため資金も手厚く
つけられ 厳しく執行されるが 奴隷貿易を禁ずる法律はあってもそこから
生まれる利益の恩恵に服している企業のため すべて黙殺される。
グローバル経済では 奴隷は儲けそのものなのだ。

しかし 人間の自由・尊厳は商品の自由取引に優先されるべきだ。
その規模がどれほどであろうと、人身売買・奴隷制度は極めて残酷かつ非情で
非人道的な犯罪なのである。
世界中のすべての国が団結してこれに反対しなければならない。

最後にコリン・パウエル前国務長官の言葉を引用する。
「私たちが人身売買と戦うのは、この犯罪の被害者と被害者となり得る人々の
 ためだけではない。私たちは、私たち自身のために戦っているのだ。
 それは、他人の尊厳を守らなければ、人間として自らの尊厳を十分に守ることは
 できないからである」




【参考資料】
「グローバル経済と現代奴隷制」 ケビン・べイルズ著
アメリカ大使館政府文書から
 人身売買―現代版奴隷制度との戦い(第1部)
 人身売買―現代版奴隷制度との戦い (第2部)


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