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2009年06月17日 (水) | Edit |

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昨年5月、国際移植学会は、横行する臓器売買に反対を表明し
自国内で臓器移植を完結させるよう努めてもらう宣言を出した。
これが「イスタンブール宣言」である。

 ※イスタンブール宣言とは
 「外国人が臓器提供を受け、地元国民の移植の機会を奪うのは
  公平・正義に反する」として、渡航移植を原則禁止とするとしたもの。
 つまり、外国から渡航移植に来ると、その国で臓器移植を待っている
 患者の移植機会が奪われてしまう。 また 発展途上国などでは
 移植患者目当ての子どもの臓器売買が横行している。
 だから臓器移植はその国の中で完結させるべきだというもの。


その流れを受け、WHO(世界保健機関)が今年1月、移植で使う
臓器の国内での「自給自足」を促す新指針を承認。
本来なら5月18日からの総会で正式決定される見通しとなっていたが
あの新インフルエンザ対策の追われ 1年延期となった。


しかしそれら外圧を受け この12年間ほったらかしにされてきた
臓器移植法の改正が急ピッチで進められており、6月18日には
衆院本会議で採決される予定だ。
現在改正案には4案あり 提出順にA~D案とされている。

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【読売新聞より】 ※A案:自民党、B案:公明党、C案:社民党、D案:民主党


            

A案=自民党。
A案は本人の拒否がない限り年齢に関係なく、家族の同意で提供できるとする。
また 世界的傾向を理由に「脳死を一律に人の死」とすることを明記している。
この日本人の死生観に違和感のある「脳死=人の死」には抵抗が強い。

B案=公明党。
「B案」は意思表示の年齢を15歳から12歳に引き下げ 自己決定を最大限
尊重する立場をとっている。しかし乳幼児への提供には対応できておらず、
効果が限られているとの指摘がある。
また脳死についても、人の死というのは文化的な土壌や宗教的な土壌によって
異なるものであり、必ずしもそれを国際的な基準に合わせる必要はないとの立場。

C案=社民党。
C案は、年齢に関しても現行通り、さらに脳死判定基準を厳格化するという
移植待機患者にとっては「後退」をにじませる内容。
ただここには、ドナーとなっていく人の生存権、人権、治療を受ける権利の
保障範囲についての問題提起、また増え続ける生体移植に関して
自主的ガイドラインのみで動いており全くのノールールの現状を整備すべき、
としている。脳死についても病態の厳密化を提案している。

D案=民主党。
これまで出ていたA案、B案、C案の折衷的な案。
臓器提供の年齢制限を撤廃する一方、15歳未満の臓器提供は家族の
同意に加え、病院の倫理委員会など第三者判断を取り入れるといった内容。
条件付きながら15歳未満からの臓器提供が可能になる。

なんだかすべて 帯に短し、たすきに長し、のようだ。

            

私はここで 何度も書いているとおり 基本的には臓器移植には反対。
臓器は組織もすべて、骨、皮、皮膚、全部利用できないものはないという。
技術的には、リサイクル、リユースが可能だろう。 
けど、移植側も提供側も含めて 同じ人間としての尊厳はどうなのだろう。
あの代理出産にも通じるものがあるが まるでフランケンシュタインのように
軽々しく人の命さえ切り貼りしてしまうことは あまりに危険だ。


しかしながら 腎臓や肝臓などの病気の方のように、生きながらにして
永遠に苦しみ続ける人生があって 良いわけがない。
できたら 早くES細胞開発を進めて欲しいところだが、現実問題、
今苦しんでいる人たちがいる中で 12年前からほったらかしにされてきた
臓器移植法は、やはりきちんと整備しなおすべきだろう。

            

まず脳死の定義だが 「=人の死」として扱って良いのだろうか?
一部脳神経の切断などにより 脳死状態に見える患者が
実は死の恐怖の中 必死で助けを求めている場合だってある。

知り合いのご主人は 髄膜炎で一時的に植物人間状態に陥ったが
その間動かせない体の奥で 必死に助けを求めていたそうだ。
1ヵ月後必死の治療の結果、やっと言葉を発せるようになった最初
「怖かった、真っ暗な中でこのまま死ぬかと思った」と大泣きしたという。


また提供年齢を0歳まで下げることによる臓器提供効果はあるのだろうか。
親の心情としたら幼いわが子の死の悲しみの中、その子の体温のまだ残る体から
人助けとはいえ、臓器提供できるとは思えない。


人の生死の尊厳に関わる大事な問題を こんなやっつけ仕事のような議論で
簡単に決めて欲しくない。
もっときちんと 時間をかけて議論して欲しいと思う。



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